井の頭池〜水門橋、 神田川源流碑〜夕焼け橋〜久我山〜高井戸駅 
 約4.5Km

2007年12月、神田川の源流点である井の頭公園から隅田川の合流点に向かって歩き始めた。井の頭池はちょうど紅葉の時期である。
神田川を歩く
神田川の源流点、井の頭公園の最寄駅はJR吉祥寺駅または京王井の頭線・井の頭公園駅である。私は京王線の沿線に住んでいるので、井の頭公園駅で下車し歩き始める。井の頭線は高井戸駅あたりからは神田川にほぼ並行して走っており、この駅でもすぐ横を神田川が流れている。
駅を出るとすぐに「井の頭恩賜公園」の入口となり、林の中の細い川に沿って歩いてゆくと「一級河川 神田川」の碑が建っているのが見えてくる。碑が建っているのは井の頭池の東端で、すぐ近くに水門橋という水門を兼ねた小さな橋がある。この水門から流れ出した水が神田川となって隅田川まで流れ下るのである。

源流碑付近の写真を撮った後、井の頭池の周りをめぐって池の北端にある湧水地点まで行く。井の頭池というと春の桜がすばらしく、私も何回も花見に訪れているが、秋の紅葉もなかなかすばらしいものだ。途中に七井橋という池を横切る橋があり、橋の途中で池の北西方面を見渡すことができる。池のすぐ脇が高台になっており、池を見下ろすように大きなマンションが建っている。

井の頭池とひょうたん橋
井の頭池の東端にかかる「ひょうたん橋」。この橋のすぐ近くに水門橋がある

「一級河川 神田川」碑と水門橋
この地点が神田川の源流点であることを示している。奥に見えるのが水門橋で、この橋の脇に設けられた水門から流れ出した水が神田川となる

池の西の端、高層マンションの建っている高台のすぐ下の石組みの中からきれいな水が湧き出ている。ここは昔から「御茶の水」と呼ばれ、将軍が狩に来たときこの水でお茶を立てたことからその名前がついたという。現在は背後に建てられた高層建築物などの影響で地下水脈が絶たれ、自然湧水ではなく、地下水をポンプアップした水のようだ。「御茶の水」の近くに小さな石橋があり、ここからの池の眺めもすばらしい。

七井橋より池の北端を望む
池に隣接する高台には高層マンションが建ち、その影響で地下水脈が絶たれ、池に流入する自然湧水がなくなったといわれている

井の頭池の紅葉
池の周りは桜の木が多く、春には見事な風景を見せてくれるが、カエデなども植えられており、秋の風景もなかなかのものだ

石橋の両脇からポンプアップされた水が水道管から直接池に放流されている。この石橋を渡ってさらに南に進んだ弁財天の先にも太い土管から勢いよく水が流れ出ているのを見ることができる。これらが現在の神田川の水供給源になっているのだろう。
かつて井の頭池は「七井の池」とも呼ばれた。池に七つの湧水があったことから名づけられたという。現在、これらの自然湧水はほとんどなくなってしまったようだが、その原因としてはやはり高台に建てられた高層建築物の影響が大きいようだ。そのほか近くを流れる玉川上水の通水が停止したことも原因の一つであるといわれている。

お茶の水脇の石橋から井の頭池を望む
ここからの眺めはなかなかよい。正面に見えるのは七井橋。近くに見える小さな島は「浮島型浄化装置」で、アオコの発生を抑制し、直接水を浄化する装置だという

御茶の水
井の頭池の湧水地点の一つである。「その昔当地方へ狩に来た徳川家康がこの湧水の良質を愛してよくお茶を立てました。以来この水は「お茶の水」と呼ばれています」という説明板が立っている。現在は地下水をポンプアップした水が湧出しているようだ

神田川への水供給地点を確認した後、私は再び神田川の源流碑のある地点に戻った。いよいよここから「神田川下りウォーキング」のスタートである。
水門橋から流れ出た神田川は水量はそれほど多くはないが、ゴロゴロした岩の間を縫うように流れ、林の中を通って井の頭線のガード下に出る。これから先はそれまでの林の中から一転して明るい日差しの中を流れるようになる。岸辺も水面に近く子どもたちも川の中に入り水と戯れることができる。深さはそれほどないので子どもたちにも安全なのだろう。このような親水ゾーンが少し先の「夕やけ橋」まで続いている。この橋から下流は一般河川の様相となる。

土管から勢いよく流れ出す水
石橋から少し先の弁財天の近くからも太い土管から水が勢いよく流出している。これは自然文化園の方向から来るので自然湧水だろうか

お茶の水近くの石橋と水の供給点
石橋のすぐ近くに2ヶ所水道管から水が勢いよく流れ出ている。水は地下水をポンプアップしたものだ

林の中を流れた川は井の頭線のガード下を通る

水門橋から神田川の流れはじめを望む

夕やけ橋より下流方向を望む
ここから下流は親水ゾーンではないが、川辺の公園は続いている

夕やけ橋上流付近の川辺の様子
岸辺は水面に近く、川の中に入ることもできる親水ゾーンだ休日には子どもたちがザリガニとりなどをする姿が見られる

三鷹台駅から先は川沿いの歩道がいったん途切れる。駅前の丸山橋を渡り、井の頭線の踏切を越えてすぐのところで左に曲がりこの一般道を歩く。しばらくすると左に曲がる道があるのでこれを曲がれば再び川沿いの遊歩道に出ることができる。遊歩道を歩いてゆくと途中いくつかの橋があり、やがて久我山駅に着く。三鷹台駅と久我山駅の間も約1Kmと短い。久我山駅前の橋は久我山橋である。この橋は人見街道を渡している。さらに川沿いの歩道を進んでゆくと、左手に井の頭線の富士見ヶ丘検車区が広がっている。すぐ近くにたくさんの電車が止まっているのを見ることができる。右手一帯は林が広がっており、歩道はつけられていない。

井の頭線三鷹台駅
井の頭線は神田川に沿って走っており、源流碑からここまでは約1Kmほどである

神田上水橋から下流方向を望む
川の両側には家が建ち並び、普通の都市河川の様子となる

夕やけ橋から少し下流に神田上水橋がかかっている。このあたりまでくると川の両側には家が建ち並ぶようになり、普通の都市河川の様子と変わらなくなる。すぐ近くにこの川の源流点があるとは思えないほどの風景だ。川に沿った歩道を歩いてゆくとやがて井の頭線の三鷹台駅が見えてくる。源流点からこの駅までは約1Kmくらいである。

富士見ヶ丘検車区付近
左岸一帯に井の頭線の富士見ヶ丘検車区が広がる。右岸は林が広がり歩道はつけられていない(清水橋より下流を望む)

久我山駅付近の神田川
久我山駅前には久我山橋がかかっている。駅前の川沿いには商店なども並び車も通る(久我山橋より上流方向を望む

井の頭線富士見ヶ丘駅を過ぎた後、高井戸駅が近づくと川の近くに大きなアパート群が目に付くようになる。神田川上流ではこの高井戸駅周辺がもっとも人口が集中しているだろう。高井戸駅は高架駅でその下を環八(都道環状8号線)が通っている。環八は佃橋を渡るが短いのでほとんどの運転手はこの橋を渡ったことに気がつかないだろう。
この佃橋の少し上流で水が勢いよく神田川に流れ込んでいるのに注目していただきたい。これは「清流復活」した玉川上水の水である。玉川上水の「清流」は小平監視所から久我山の浅間橋跡まで地表を流れたのち地下に潜り、この高井戸駅前で再び地表に現れ神田川に流入しているのだ。この「清流」の正体は玉川上水のページでも触れたように多摩川上流処理場の処理水である。すなわち神田川はここで下水成分が混入することになる。
神田川源流碑から高井戸駅まで約4Km、いったんここで一休みしよう。

玉川上水「清流」が神田川に流入する地点
場所は高井戸駅前、環八の通る佃橋上流付近である。かなりの勢いで流入しているので水勢を弱めるためか隔壁が設けられている。隔壁の近くでは大きな鯉が悠々と泳いでいる。安全性をアピールしているのだろうか(写真の橋は環八の通る佃橋)

高井戸駅付近の様子
錦橋から下流方向を望む。高架の駅が高井戸駅。正面の高い煙突は杉並清掃工場のものである