第5日目(その1) グリンデルワルト〜(登山電車)〜クライネシャイデック〜(登山電車)〜ユングフラウ・ヨッホ〜クライネシャイデック(昼食)〜グリンデルワルト
今日は行程が盛りだくさんなので、6:30には朝食を食べ、7時にはホテルを出発する。ホテルから歩いて登山電車の乗り場に行き、電車が発車したのは7:30頃だった。今日も朝からすばらしい天気である。
30分ほどで電車はクライネシャイデック(小さな丘の意)に到着する。すぐ目の前に、アイガー、メンヒ、ユングフラウが雄大な姿を見せている。ここで電車を乗り換え、ユングフラウ・ヨッホまで行くのだ。電車の乗り換え時間があまりないので、このときはゆっくりと写真を撮る暇もなく次の電車に乗り込んだ。
電車は、少し走った後、長いトンネルに入る。このユングフラウ鉄道は全長9.3Kmの4分の3がトンネルである。アイガー、メンヒの山の中を掘り進め、1895年に着工以来全線開通まで16年かかったという。
トンネルに入って少し行くと、トンネル内最初の停車駅アイガーワンド(Eigerwand)駅に到着する。ここで下車し、洞窟内を歩いてゆくと明るいガラス張りの展望室がある。ここの標高は2865m。アイガー北壁の中間部に設けられているという。すぐ脇にアイガー北壁の岩盤が迫り、下を覗くと垂直に切り立った岩の様子が見える。ガラスの内側から眺めているので恐怖心はないが、ガラスも何もなかったら足がすくむだろう。
ちなみに、アイガー北壁が初登攀されたのは1938年、それより26年も前にこのような鉄道が通っていたなんて何か不思議な気がする。(このような展望室がいつごろできたのかは分かりませんが)
電車が次に停車したのはアイスミール(Eismeer)駅。ここにも同じような展望室が設けられている。ここからは、ガラス越しに雄大なフィーシャー氷河を眺めることができる。
電車は、我々が見学している間待っていてくれる。しかし、発車の時間に遅れそうになったからといっても決して走らないでください、と注意された。ここの標高は既に3160m。日本第2の高峰、北岳と同じくらいの高さなのだ。いきなり走ったりすると高山病の症状が出たりすることがあるのだ。でも、あせるとつい小走りになってしまう。
やがて、電車は終点のユングフラウ・ヨッホ駅に到着する。Top of Europe:ヨーロッパで最高地点にある鉄道駅で、標高3548m。労せずして、誰でもここまで到達することができるのだ。
ホームを出ると、郵便局がある。ヨーロッパで最も高い地点の郵便局ということで人気が高く、ここから絵葉書を出す人も多い。日本へは1週間くらいかかるらしいが、記念にはなる。
我々は、まず氷の宮殿(Eispalast)と呼ばれる氷河内部の見学に向かった。前の日にフルカ峠でローヌ氷河の内部を見学したが、それよりも規模はずっと大きい。人が何人も並んで歩け、床は氷なのだが、不思議なことにぜんぜん滑らない。立派な手すりもついている。
次に、エレベーターで上に上り、雪原に出る。エレベーターを降り、狭い出口から外に出ると、そこは一面の銀世界である。すぐ目の前には、ユングフラウがそびえている。ユングフラウは標高4158mあるのだが、ここから見るとそれほど高い山とは見えない。ここからの標高差は、せいぜい600mくらいだ。
雪原を少し歩き目を転じると、これもすぐ近くにメンヒが見える。ここからならメンヒにも比較的容易に登れそうな気がするが、そんな甘いものではないのだろう。上空には一片の雲もない。真っ青な空である。風もほとんどないので、寒さは感じない。しかし、温度はかなり低いはずである。
ここでの景色を堪能した後、エレベーターでいったん下に降り、再びスフィンクス・テラスと呼ばれるところに別のエレベーターで登りなおす。ここには気象観測設備があるらしい。テラスの周りにはワイヤが張ってあるが、これは避雷のためだという。
ここから眺めるアレッチ氷河は圧巻だ。この氷河はヨーロッパ最長で、全長約22Km、氷の厚さはなんと1000mもあるという。ここから降りて、氷河の上を歩いてゆけそうだ。実際、ここから氷河の上を歩いて途中の山小屋まで歩いてゆくハイキングツアーもあるそうだ。
ユングフラウ・ヨッホの景観を十分に楽しんだ後、下りの電車に乗り、クライネシャイデックまで戻る。下りの電車は、途中のトンネル内の駅は通過し、トンネルを出たところで停車した。アイガーグレチャー駅である。ここでしばらく停車し、上り電車と交換する。クライネシャイデックに到着したのは、11:30頃だった。ここの駅前のレストランで昼食である。
昼食の後、出発までには少々時間があるので、あらためて周囲の写真を撮った。アイガー、メンヒ、ユングフラウの山並みが一望できる。トンネルで通ったであろう辺りを目で追ってみる。よくもまあ、あんなところに電車を通そうということになったものだ。それも、100年以上も前のことなのだから本当に驚いてしまう。
山々に後ろ髪を引かれる思いで、帰りの電車に乗り込む。電車は12時に発車し、12:50頃にはグリンデルワルトのホテルに帰り着いた。今日の行程の第1部は終了。しばらくホテルでくつろいだ後、駅前を14時発のバスでブリエンツに向かい、ロートホルンSL鉄道の旅を楽しむことになっている。
クライネシャイデックからの景観。左からアイガー(3970m)、メンヒ(4099m)、ユングフラウ(4158m)
ここからは、垂直近く切り立ったアイガー北壁の様子がよく見える
グリンデルワルト駅前に日本語観光案内所がある。それだけ日本人観光客が多いということだ
我々が宿泊したシュピネ・ホテル
クライネシャイデック駅。駅前のレストランで昼食
トンネルを出たところにあるアイガーグレッチャー駅。ここでは下車せず、列車交換待ち
ヨーロッパで最大のアレッチ氷河 (長さ約22Km、厚さは1000mもあるという)
アレッチ氷河に降りて歩くこともできる。実際、氷河を歩くハイキングツアーもあるという
メンヒ(4099m)も間近に見える
スフィンクス・テラス(3573m)(エレベーターで登れる)
目の前に見えるユングフラウ(4158m)
エレベーターで上に上り外に出ると、そこは一面の銀世界だ
アイスミール駅。遅れそうになっても駅では走らないように。標高3160mです
アイスミール展望室からのフィーシャー氷河の眺め
展望室よりアイガー北壁下部を覗く
アイガー北壁展望室にて(アイガーワンド駅下車)
同じくユングフラウ。これからこの山の鞍部まで電車で登る
クライネシャイデックから見たアイガー(左)、メンヒ(右)
グリンデルワルト駅で登山電車に乗り込む(7:30出発)
電車はだんだんと高度を上げ、ユングフラウが見えてくる。今日もすばらしい天気だ